馬鹿でもわかる株式、投資信託、ETFの違いを解説

投資は、お金を増やすための良い手段の一つですが、初心者にとっては投資先の選択が難しいものです。



投資に興味を持ち始めると「株式」、「投資信託」、「ETF」といった言葉を耳にします。



これらは投資をする上で必須知識であり、それぞれ異なった特徴を持っていますので投資を始めようとしている、始めたばかりでよくわかっていない方は自分にあった適切な投資先を選ぶ為にも理解する必要があります。



この記事を読んで頂くと以下を知ることが出来ます。

・株式、投資信託(インデックスとアクティブ投資)、ETFのそれぞれの重要な特徴と違い

・あなたに適した投資先

この記事を読んで、まずは投資に必要な基礎知識を得て下さい。



そして自分にとって最適な投資先を見つけ、効率的な資産形成を目指してみてはいかがでしょうか。

株式投資と投資信託の違い

株式投資(個別銘柄)

投資家がご自身で株式の銘柄を選択し、投資するものです。



日本企業で言えばトヨタ自動車やソニー、米企業で言えばアップルやアマゾンといった企業に直接投資することを意味します。


ですので、株価は企業の業績によって直接影響を受けることが特徴です。



企業の業績が好調な場合は、株価が上昇する可能性が高く、逆に不調な場合は株価が下落する可能性があります。



業績不調の場合、大きく下落しますので個別銘柄への株式投資はリスクがとても高いとされています。



但し、テクノロジー株など業績が好調な場合、非常に大きな株価上昇が期待されますのでその分リターンも大きい可能性があることが魅力です。

投資信託


複数の投資家から資金を集め、一つの大きな資金にまとめ、運用の専門家が株式や債券などの銘柄を選択し、運用する商品でその成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品です。



「集めた資金をどのような対象に投資するか」は、投資信託ごとの運用方針に基づき専門家が行います。



分散投資を行うことで、ある1つの企業の業績が悪化しても、ポートフォリオ全体に影響を与えるリスクが低くなるというメリットがあります。



なお、投資信託は元本が保証されている金融商品ではありませんのでその点留意下さい。


まとめ


株式投資と投資信託は、それぞれの特徴やリスクが異なります。



株式投資は、企業の業績に直接影響を受けるためリスクが高く、一方で投資信託は、複数の企業の株式を分散させたポートフォリオを購入し、リスクを抑えた投資となります。



投資家が自分でポートフォリオを構築することが難しい場合や、リスクを抑えたい場合には投資信託が適している場合もあります。



また、投資信託には、株式型や債券型、商品型など様々な種類があります。



投資家の目的やリスク許容度に合わせて、適切な投資信託を選択することが重要です。

インデックス運用とアクティブ運用の違いとは

投資信託の運用には大きく分けてインデックス運用とアクティブ運用があります。



この二つのスタイルの違いについて解説します。

インデックス運用とは

市場平均や特定の指数に従って運用を行う方法です。



たとえば、日経平均株価などの株価指数を追い、その指数に構成銘柄と同じ比率で投資することで、市場全体の変動に合わせた収益を目指します。



日経平均とは“日本代表企業”の株価を指数化したものです。



もう少し詳しく説明させて頂くと「東京証券取引所プライムに上場する約2,000銘柄のうちから、市場流動性(売買の活発さや安定度)の高い225銘柄を選定し、その株価をもとに算出する指数」のことです。



要するに日本企業代表者たちに投資することを意味しますので日本経済が今後伸びていくと思う人にお勧めの投資先となります。



また、運用コストが低く、指数に従って投資を行うため、投資信託の運用成績が市場平均を下回ることが少なく、比較的安定した運用が期待出来ることが特徴です。


アクティブ運用とは

運用担当者が自らの判断や情報を元に、市場平均や指数を上回るリターンを目指す方法です。



投資家が運用担当者の判断力に期待して、高いリターンを目指すことができます。



運用担当者がこれから伸びると考える個別銘柄、例えばアップル、アマゾン、マクロソフトといった投資先を複数選択することでより高い利回りを目指そうとすることです


この運用方法は、運用コストが高く、担当者の判断力や情報によって運用成績が左右されるため、リスクが高いとされています。

インデックス運用とアクティブ運用の比較

インデックス運用は、市場平均や指数に従って投資するため、市場全体の変動に合わせたリターンが期待できます。



一方、アクティブ運用は、運用担当者の判断力や情報によってリターンが左右されるため、市場平均や指数を上回るリターンを目指します。



しかし、アクティブ運用は成功しても失敗しても、インデックス運用よりも大きなリスクが伴います。



アクティブ投資は投資のプロが運用するものですが、アメリカの有名なインデックスであるS&P500(米優良企業500社)に長期投資した場合、80%以上のプロの投資家が負けているという驚くべきデータがあります。



つまり、投資を専門にするプロが負けるほどですので、初心者はよっぽどインデックス投資をした方が良いのだと思います。

運用コスト

インデックス運用は、指数に従って投資を行うため、運用コストが低いとされています。



一方、アクティブ運用は、運用担当者の判断力や情報を元に投資を行うため、運用コストが高くなる傾向があります。

ETF、投資信託、株式の違い

そもそもETFとは

ETF(Exchange Traded Fund)は投資信託の一種です。

一般の投資信託とは異なり、証券取引所に上場されていて株式と同じように取引ができます。

価格の決まり方

ETFや株式の売買の注文は、その時々の時価で買ったり、売ったりとリアルタイムで取引可能ですが、投資信託の場合は1日1回算定されます。そして購入価格は翌日まで分かりません。



投資信託の場合、まずは「その投資信託が保有している株や債券の時価総額 + 利息や配当金 - 運用コスト」で純粋な資産額を算出します。



それを1口あたりの価格に落とし込み、基準価額(きじゅんかがく)が決定されます。



基準価額の算出は、取引の申し込み時間後であるため、申し込み時点での基準価額は分からないことが特徴です



一方ETFは、個別株と同様にリアルタイムで価格が変動しているため、購入する価格を把握した上で売買することができます。

売買方法について

①購入場所

投資信託とETF・株式は購入できる場所が異なります。

・投資信託:証券会社、郵便局、銀行
・ETF、株式:証券会社



購入場所において、同時に意識すべきなのが購入時の手数料です。



投資信託の場合、必ず仲介会社が入ります。



銀行や郵便局で投資信託を購入しようとする場合、手数料が異常に高い「ぼったくり投資信託」を勧められることがありますのでネット証券を使って購入することをお勧めします。

②注文方法

投資信託とETFの注文方法には次のような違いがあります。

投資信託:
・販売会社へ申し込み
・口数指定 / 金額指定で注文する


ETF・株式:
・証券会社へ申し込み
・指値 / 成行で注文する



投資信託を購入する場合、販売会社(=証券会社や銀行)に申込みをします。



申し込み時には、「購入する口数を指定する(口数指定)」か、「購入する金額(金額指定)」を設定します。



ですが、先程の基準価額でも解説したとおり、注文時には正確な価額が決まらないため、実際に何口買えるのかは分かりません。



一方で、ETFを購入する場合、個別株と同様に指値(さしね)や成行(なりゆき)を設定して、証券会社に申し込みをします。

  • 指値:自分で買う値段を指定して注文
  • 成行:自分で買う値段を指定しないで注文

指値で購入する場合、注文が成立しないリスクがあります。



例えば、1口1,000円のETFを「これから値段が下がるだろう」と予想して950円で注文したとしましょう。



もし、価格が950円まで下がれば注文は成立しますが、980円までしか下がらないと注文は成立しません。



一方、成行で購入する場合は、想定から外れた価格で注文が成立するリスクがあります。



そもそも成行とは、価格を指定せずに「買える価格で買う」ということです。



そのため、想定以上に価格が高くなってしまった場合、予想もしていない価格で取引が成立することもありえるのです。


コスト

続いては、投資信託とETFにおけるコスト面での違いを解説します。


どちらを購入する場合でも、次の3つのタイミングでコストはかかります。


コストがかかるタイミング①:購入時

購入時にかかるコストは次の通りです。

  • 投資信託:ファンドごとの購入時手数料
  • ETF:証券会社ごとの買付手数料

投資信託の購入時手数料はファンドごとに様々ですが、つみたてNISAなどの優遇税制対象のファンドは購入時手数料が無料(ノーロード)のものがほとんどです。

一方ETFの場合、証券会社が定めた買付手数料がかかります。

コストがかかるタイミング②:保有中

保有中は、投資信託もETFも同じようにコストが発生します。



投資信託において、保有中にかかる代表的なコストは信託報酬です。



信託報酬はファンドごとに異なり、3%以上もするぼったくり投資信託もあるので注意しましょう。



一般的にインデックスファンドが低く、アクティブファンドは高い傾向にあります。



しかし、ひふみ投信のようなアクティブファンドでも、十分な運用成績を残しているものがあることは覚えておきましょう。



ETFはファンド自体の資産規模も大きく、仲介会社の数も投資信託と比較して少ないです。



そのため、保有中のコスト(経費率)は、一般的に投資信託よりも安くなる傾向があります。



例えば、同じ全世界株式に投資をする楽天VT(投資信託)の信託報酬と、VT(ETF)の経費率を比較してみましょう。

  • 楽天VT(投資信託):0.212%
  • VT(ETF):0.08%

ETFの経費は非常に安く、投資の原則である長期投資をした場合、大きな差が生まれることになります。



コストがかかるタイミング③:売却時

売却時にかかるコストは次の通りです。

  • 投資信託:信託財産留保額
  • ETF:証券会社ごとに異なる売却手数料

投資信託を売却する時、一般的には信託財産留保額がかかりますが、ファンドによっては不要な場合があります。



一方でETFは、購入時と同様に証券会社ごとに異なる売却手数料を支払うことになります。



購入〜売却までのコストは、運用成績へ与える影響も決して小さくありません。



言い換えれば、高いコストがかかると効率の良い資産運用は難しくなるので覚えておきましょう。

積み立て方法

次に投資信託とETFの積立方法の違いを紹介します。

  • 投資信託:自動設定が可能
  • ETF:基本は手動だが、SBI証券など一部の証券会社では自動設定が可能

ほぼ全ての投資信託は、自動で積立の設定ができるため、手間をかけずに淡々と資産運用に取り組めます。



一方で、ETFの積立は基本的に毎回手動で売買設定を行わなければなりません。



強制的に積み立て投資する仕組みを作ってしまえば楽ですし、株価が下がったことで一喜一憂して長期投資するつもりだったのにやめてしまうといったことも避けられますのでお薦めですよ。

分配金の再投資

分配金の再投資も、投資信託とETFでは対応が異なります。

  • 投資信託:「受け取り」と「再投資」を選択できる
  • ETF:「受け取る」のみ

投資信託の多くは、分配金をファンドが自動で再投資をしてくれるため、「受け取り」を選ぶことはほとんどありません。



分配金を受け取らずに内部再投資されるため、課税もされず、税金の繰延効果を活かした複利運用で、効率よく資産を増やしていくことが可能です。



仮に「受け取る」を選択できる投資信託を購入した場合、分配金は課税の対象となるため、節税効果はなくなります。



またETFの場合、分配金は受け取る選択肢しかありません。



そのため、分配金に対して税金を徴収された後、手動で再投資する必要があります。

<まとめ表>

投資信託ETF
購入場所証券会社、銀行、郵便局など
(ファンドによる)
証券会社
価格の決まり方1日1回算出されるリアルタイムで変動する
注文方法口数指定 / 金額指定指値 / 成行
コスト(購入時)購入時手数料
※金融商品による
買付手数料
※証券会社による
コスト(保有中)信託報酬を含めた運用コスト信託報酬(運用管理費用)
コスト(売却時)信託財産保留額
※金融商品による
売却手数料
※証券会社による
自動定額積立ほぼ可能基本は手動
(一部証券会社を除く)
分配金受け取る / 再投資信託財産保留額
※金融商品による

ETF・株式・投資信託、何を選ぶ?

ETF

低コストで市場の広範な投資先にアクセスできるため、初心者から上級者まで幅広い投資家に適しています。



ETFは、株式や債券、商品など、様々な投資対象に投資することができます。また、他の投資商品に比べて低コストで取引できるため、投資家にとって魅力的な選択肢です。



実際に、米国では、S&P500を追跡するETFの運用費用率は平均0.09%であり、同じインデックスに投資するアクティブ型投資信託の平均運用費用率の1/6以下となっています(出典:Morningstar)。


株式

株式は、リスクが高いが、高いリターンを追求する投資家に適しています。



企業の株式に投資することで利益を得る投資方法です。



企業の業績が良ければ株価が上昇し、株主には配当金や株価上昇益が還元されます。



一方で業績が悪化すれば株価が下落し、損失を被る可能性があります。



そのため、株式は他の投資商品と比べてリスクが高いとされています。



しかし、投資家が企業の業績や市場動向を分析し、適切なタイミングで売買を行うことで、高いリターンを追求することができます。

投資信託

投資信託は、株式やETFに比べてリスクが抑えられるが、それに伴いリターンもやや低めになります



長期的な資産形成を目的とした投資家に適しています。
投資信託は、複数の銘柄や資産を組み合わせて分散投資するため、株式やETFに比べてリスクが抑えられます。



また、インデックス型投資信託は、長期的に株式市場全体の成長に連動することが期待されるため、個別株式投資よりもリスクが低くなります。



一方で、アクティブ型投資信託は、投資家が選んだファンドマネージャーの判断によって銘柄選択が行われるため、個別株式投資と同様にリスクがあるとされています。

まとめ

投資先を選ぶ際に悩んでしまうのが、ETF・株式・投資信託の違いです。



それぞれの特徴やメリット、デメリットを把握することで、自分に合った投資先を選ぶことができます。



株式は、リスクが高いが高いリターンを追求する投資家に適しています。



一方、投資信託は、リスクを抑えつつ、運用資産を広く分散することでリターンを狙う投資家に向いています。



ETFは、投資信託と株式の中間的な特徴を持ち、低コストで幅広い分散投資が可能なため、初心者にもおすすめです。



投資家にとって大切なのは、自分に合った投資先を選ぶことです。



どの投資先もメリット・デメリットがあり、自分に合った投資先を見つけるためには、自分の投資目的やリスク許容度を明確にすることが必要です。



いずれにせよ、株式で負けない王道の法則は長期・分散投資です。



短期でお金を儲けようとして運用に失敗して、投資自体を辞めてしまう人が多いです。



また、不景気により一時的に株価が下がることが歴史を見ると必ず起こるのですが、そのときに狼狽売りしてしまう人が多いので気をつけて下さい。


分散投資先へ自動積み立てを設定して、後は放置してしまうくらいの心構えが出来ると良いのだと思います。



私も株価が気になり、放置することはなかなか出来ていませんが、どんなに下がっても歴史を信じ、売ることはせず逆にチャンスだと考えるようにしています。

Q&A

Q1. 初心者でも投資に失敗しないためにはどうしたらいいですか?

投資に失敗しないためには、自己の投資目的やリスク許容度を明確にし、情報収集や分散投資を行うことが重要です。

また、過剰な取引や感情的な投資は避け、冷静な判断力を身に付けることも大切です。



Q2: 投資初心者にとって最初に取り組むべき投資先は何ですか?

投資初心者にとって最初に取り組むべき投資先は、自分のリスク許容度や投資目的に合った投資先です。

例えば、将来の教育費や老後の資金を確保したい場合は、長期的な視野で考えた投資信託が適しています。

一方、資産運用の初めの段階でリターンを重視する場合は、株式投資やETFが選択肢の一つとなります。

また、不動産投資も長期的に安定した収益を得ることができるため、自己資金がある場合には検討してみることも重要です。

投資は自分にとって最適な方法を選ぶことが大切です。



Q3:お薦めの投資先を教えて下さい

投資先は人それぞれに合わせて異なるため、一概におすすめの投資先というものは存在しません。

投資する前には自己評価をしっかりと行い、自分の投資目的やリスク許容度、投資期間などを考慮した上で、投資先を選ぶことが重要です。

<おすすめの投資先を選ぶために考慮すべきポイント>
・投資目的やリスク許容度、投資期間など自分自身の条件を明確にする

・投資先の特性やリスクを理解する

・投資先の選択にあたっては専門家の意見も参考にする

・投資先を選ぶ前に、投資全般の基本知識を身につける

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